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判決理由については「配布の仕方が社会的に認められる範囲内としても、刑事罰に値する違法性(可罰的違法性)はないとした一審判決は、事実を誤認している。
「ビラによる政治的意見の表明が言論の自由で保障されるとしても、そのために他人の権利を侵害してよいことにはならない」と判断したのだ。
Y被告側は直ちに最高裁へ上告、今後は最高裁の判断に委ねられることになった。
いつの間にか逮捕されていたり続いて紹介するのが、葛飾マンションビラ入れ事件だ。
立川反戦ビラ入れ事件の一審・無罪判決から1週間後、共産党の「都議会報告」などを配っていた区内の男性が、住居侵入罪容疑で現行犯逮捕された。
現場となったマンションは、JR常磐線「亀有駅」から徒歩刊分程度、環状7号線沿いにある7階建て。
入り口を入るとすぐ右手に集合ポストがあり、その向かいには管理人受け付けがあるが、オートロックはない。
男性は、分譲マンションで、各室のドアポストにビラを配布していた。
その際、住民の一人が「迷惑だからやめろ」と男性に抗議、この住民は亀有署に110番通報した。
現場に駆けつけたのは、交番の巡査を含め、パトカー1台、捜査車両1台、計8人の警察官だった。
警官は、住民が男性を住居侵入罪の現行犯として取り押さえたと判断し、男性を亀有署に連行、逮捕した。
この男性の場合、警察の人間でない人が捕まえたという、う。
先の立川のケースとは違い、住民の被害感情があって、している。
しかし、ちょっとおかしいのは、民間逮捕となっているが、男性本人は何一つ伝えられず、連行された亀有署でようやく、その逮捕事実を聞かされたというのだ。
私の取材に、男性は次のように答えている。
「私自身、逮捕されたという認識はまったく持っていなかったのです。
ビラ配りで逮捕されるとは思っておりませんから。
警察で5時くらいに、私は用があるので帰りたいと申し上げたところ、実はあなたはもう逮捕されているんですよ、と。
(警察に連行されてから)2時間半後ですよね、告げられたのは」任意向行のつもりで警察に行った男性は、「話せばわかるという認識」だったというが、甘かったようだ。
しかも@組織的に行われた犯罪であること、A組織的な背景に関する供述をしていないこと、の2点を理由に、証拠隠滅の恐れがあるとして、お日問、身柄を拘束された。
男性は年末年始を拘置所で過ごすことになってしまった。
いわゆる民間逮捕だったといその場で現行犯逮捕されたと公安警察による尾行ビデオ例年はビラ配りの摘発強化年だったのだろうか。
さらにもう1件、記しておかなければいけない事件がある。
3月3日、目黒社会保険事務所に勤務する男性が、国家公務員法違反の疑いで逮捕されたのだ。
そもそも、国家公務員法は、国家公務員の政治活動を禁止しているが、憲法の思想信条の自由に抵触するという指摘もあり、この容疑に関しては過去数件しか適用されていない法律である。
容疑は、男性が回年日月の衆議院選挙のとき、共産党の政策が記載された機関紙(赤旗号外など)を配布したというものである。
実は、その年の2月、統一地方選挙を前にして月島署に選挙違反取締本部ができた。
そこで、いろいろ選挙活動を監視をしているなかで、ビラを配っている男性を見つけた。
ところが、投函した文書を調べてみると、違法性はない。
がっかりしていたところに、尾行を続けていた捜査員から「あの男は社会保険庁に勤める人間だ」との報告があがってきた。
そうなると、国家公務員法に違反している可能性がある。
小躍りするような話ではないか。
もちろん、尾行を続けることになった。
これが事件の始まりなのだ。
そして、衆院の解散翌日から尾行が始まる。
延べ171人が尾行したという。
テレビでも放映したが、この事件の最大の特徴は、ビラを配っているところを公安警察がビデオ撮影していたという点だ。
尾行ビデオには次のような生々しい捜査員の声も記録されていた。
「近すぎますよ。
ビデオが」男性が、機関紙を持ってマンションに入ると、「やった!」これぞ確たる証拠だとして、男性は逮捕され、このビデオは証拠として裁判所に提出され、私たちはそれを「Sプロジェクト」で流した。
おそらく公安のビデオがそのままテレビで放映されたのは、これが日本で初めてだろう。
社会保険庁職員の男性を尾行する公安警察が撮影したビデオ映像、警察の本当の狙い警察の狙いは、単に国家公務員法違反で取り締まりたいだけだったのだろうか。
いや、そうではない。
この時期、社会保険事務所内で、自治労東京が民主党候補を堂々と支援するビラが配られていたが、これは摘発されていないのである。
りょうぜん国家公務員法違反の取り締まりを強化したいと考えるのなら、どちらが一目瞭然かは、言わなくてもわかるはずだ。
だとしたら、隠された目的は何だったのか。
答えは、男性逮捕によって、共産党の千代田地区委員会にガサ入れが行われているところにある。
つまり、党員の男性を捕まえたことによって、組織に堂々とガサを入れられるということだ。
このガサ入れによって、共産党の構成員、赤旗の読者、あるいはまだ公安がつかんでいない活動家などの「資料」を入手できる、そこが狙いだったのではないか。
要は、国民を選別したいのだ。
または国民を選別するための材料を公安警察は絶えず欲しがる。
これを私は、国民一人ひとりを国家が選別しておきたいとするマーキングの表れだと思っている。
法律を強引に解釈し、違法スレスレの捜査を行ったかと思えば、微罪逮捕もいとわず、長期拘束も何のその、というのが今の公安警察なのである。
繰り返すが、さらにこの上、共謀罪ができてしまったら、何もかも、公安警察のやりたい放題になってしまうはずだ。
良心を捨てた司法この国家公務員法違反事件についての判決が前年6月、東京地裁で言い渡された。
結果は罰金の有罪判決だった。
弁護側は、男性が勤務時間外の休日に配布していたこと、配布場所が職場とは離れた自宅周辺であることなどを理由に、違法性はないと主張したが完全に否定された形だ。
判決では「機関紙の配布は政治的偏向の強い行為で、放任した場合、公務員全体に政治的行為を許すことにつながりかねない」と指摘。
表現の自由を保障する憲法にも抵触しないとの判断を示した。
見たところ、これは厳しく有罪としたと判断されるが、二面性を物語っていると言える。
この判決こそが今の日本の司法、そもそも罰金に執行猶予をつけるということは、実質的には払わなくてもよい、ということだ。
交通違反の切符を切って、二年間違反がなかったら払わなくていいなんてことがあるのか。
つまり判決で裁判長は量刑上無罪に等しい、とで人を罰するなと言っているのだ。
その一方で公安警察の執撤な尾行監視活動には、共産党千代田地区委員会への捜査を除いて、すべて適法。
「いつ機関紙を入れるかわからない事案において、こうした尾行監視は必要だった」としたのだ。
つまり裁判長は腹のなかでは無罪に近いと思っていながら口ではとした。
つまり可罰的違法性はない。
この程度のここにこそ、現在の公安主導、監視社会の恐ろしさがある。
端的に言えば罰されるほどの悪いことをしていなくても、人は公安警察に尾行監視される。
その行為をなす公安警察の姿勢は間違っていないとしたのだ。
司法が自らの良心をかなぐり捨てて、どくどく一般的な市井の人も、国家の監視下に置いて構わないとした。
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